2007年12月9日日曜日

有利子

著者名;幸田真音 発行年(西暦);2002  出版社;角川書店
 20代後半の中堅証券会社に勤める「有利子」を中心に話が展開する。低金利の中、いかにして個人顧客に損をさせずに金融商品を薦められるかといった話だが正直こんな投資アドバイザーがこの世にいるとは思えない。おそらくは手数料稼ぎのノルマで得体もしれない金融商品や株式を販売しているのが99パーセントではなかろうか。
 とはいえ話はプット・オプション、デイトレーダー、ヘッドハンティングといったテーマを中心に展開し、99パーセント損をするといわれるプットオプションでは予想もしない形でストーリーが終了する。
 あくまで予想もしない形だが、ストーリーの端々に、「円安・債券安・株式安」といったトリプルダウンなどのエピソードなどがちりばめられ、この国の財政状態からすると本当はそうなってもおかしくはない経済状態だけに小説…といって話をすますわけにもかない。西暦2000年段階では日経平均は一時期2万円を超えていたこともあったわけだから世界はまだ日本市場についての警戒心をゆるめてはいない。安易な景気回復報道には相当用心するべきではなかろうか。特に経営者アンケートの景気判断指数などはあまり数学的にもあてにならないのでやはりここは古典的な投資・消費指数から正確に状況を判断するべきなのだろう。経済小説だが、ほどよいエンターテイメント。ただし現実の証券会社はもっと「えがつない」と思ったほうがいいような気もする。

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