2007年12月25日火曜日

日本経済幻論

著者名;しりあがり寿・日本総合研究所 発行年(西暦);2001 出版社;PHP研究所
しりあがり寿が朝日新聞の4コマ漫画を描き始めた頃にはびっくりした。個人的には「ガロ」の人‥というイメージが強かったからだ。おそらく戦略もあるのだろうが、朝日新聞の4コマではどちらかといえばほのぼの系統の正統派4コマに徹しているように見えるがときに「毒」が垣間見える。この本はそうした「毒」の魅力で経済学をぶったぎった‥といえる。文章部分は日本総合研究所の4人の研究員が担当しているが、もちろん文章より漫画のほうが面白いし、頭に残る。「10年後のサラリーマン」「さよなら日本的経営」「能力主義という幻想」が最高に面白い。環境変化への対応や複雑系による「収穫逓増の原理」といった議論もあるが、シェア獲得企業が利益のほとんどをもっていくという議論はかてから経営学やマーケティングの分野ではいわれていたこと。まずは娯楽系統の経済書としてお勧め。

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