2007年12月27日木曜日

「田中真紀子」研究

著者名;立花隆 発行年(西暦);2002 出版社;文藝春秋
 新潟中越地震が予想以上に被害が拡大している。知人も被害にあったことでもあり、もうすぐ雪がふる。一刻でも早い被災地の回復を祈りたい。
 しかしこうした非常事態になるとかつてに新潟に「王国」を作り上げていた田中角栄という稀代の政治家の存在を思い出す。立花隆氏はロッキード疑惑そのほかを当時追及していたジャーナリストだが、その後「田中角栄氏がその後日本のヒトラーになる可能性もなかったし思えばしょうもないことをしていた」とおっしゃっていたことも思い出す。おそらくこうしたときにこそ、そうとうな馬力で地元への活動をおしすすめていたに違いない。さてその娘田中真紀子氏だがこの方もいろいろ毀誉褒貶はあれど「全否定」をする人は実は少ない。やはり人をひきつける魅力とどぶ板政治をある程度否定しようとしているところに立花氏も一定の評価をしている(341ページ)。盗聴法の成立にも反対の立場を示したようだ。族議員が生まれないための制度改革案ももっている。しかしもちろんこの本では田中角栄氏から受け継いだ負の遺産に焦点があてられており、それはその後、何某週刊誌と東京地裁の仮処分をめぐる法廷闘争に発展したことを思えば立花隆氏の推察はある程度的をいていたとしか思えない。政治的スタンスはどちらかといえば民主党にも通じるものがあるが過去の竹下派の政治家も民主党には多く、すぐ入党ということにはならないだろう。ただし旧新潟三区をはじめ、これからリーダーシップを発揮できるときがくるのかもしれない。それが良い結果かどうかはわからないが、少なくとも娘も非凡な政治家であることをこの本は立証している。
 チームプレイではなによりもリーダーシップ(人間的求心力)、それに異質な要素を結びつけるシナジー効果が重要となる。これを活用できるかどうかはひとえにリーダーの素質だ。これは年齢を経れば経るほど実感として理解できる。周囲の人間にどれだけ信頼感と安心感を与えることができるか。
 それは今、新潟県中越地方の人間が一番田中真紀子氏に期待していることなのかもしれない。

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