2007年12月24日月曜日

理系発想で経済通になる本

著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2003 出版社;日本実業出版社
 近代経済学を教養学部レベルででもやったことのある人にはやや「奇異」に感じる本かもしれない。むしろマクロ経済学やミクロ経済学の基礎・基本を固めてからこの本を読まないとちょっと「癖」がつく危険性もあると感じた。とにかく説得力はあるのだが、これはあくまでも経済学ではなく「商業」というカテゴリーで分類するべきなのかもしれない内容だ。基本的には所得の上昇を意識した内容になっている。
 ただし巻末には一応キーワードも掲載されているし、膨大な経済学のジャンルからどの範囲から勉強しようかと悩んでいる人には一つの打開策としてお勧め。異端ではあるが、入門書はいろいろ紹介されているし、一橋大学経済学部非常勤講師の肩書きをもつ筆者の本を読むことで一橋大学の講義を臨時聴講していると考えれば本の値段は安いものである。また精神科医の筆者がここまでの内容を執筆するまでの勉強方法は確かに参考になると思う。要はいろいろな本を読み、そこから発想を得たうえで自分なりの仮説を立案し、それを試行し、そして最後に検証するという一連のプロセスを筆者が身をもって開示してくれているのである。

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