2007年12月24日月曜日

説教名人

著者名;斉藤孝 発行年(西暦);2004 出版社;文藝春秋  
親鸞、今東光など古今の説教名人を特集したもの。「親鸞の説教は常に低い位置からおこなわれる」などといった「説教の構え」を解説している。ただし、おのずと説教から「先輩に学ぶ姿勢」といったものも養われる構造の面白い本だ。「自分を活かしてくれる職場、学んだことを活かせる企業、冗談をいっちゃあいけない」といった大島渚の言葉が痛い。社会の実務と自分の距離感をはかり、そこから実際的な対策が始まることを暗にいっているわけだ。大学で学習したことを活用してやるなんていう企業はまず企業社会では確かにありえない。会社というのは不条理かつ非情だが、現実の存在ということを確認してから‥という立場からの発言で、自分と社会の距離感をみて戦うということがないかぎり「甘い」といわれてもしょうがない‥といったニュアンスを感じる。耳の痛い発言を網羅的に収録。

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