2007年12月27日木曜日

心の悩みの精神医学

著者名;野村総一郎 発行年(西暦);1998 出版社;PHP研究所
日本も欧米並みに精神医学について語る土壌ができた。しかしそれはある意味歓迎すべきことなのかもしれない。精神医学が発達する土壌には価値観がはっきりみえない、社会秩序がないといった構造があるといわれる。共産主義国やファシズム国家ではこうした悩みなどはあまり発生しないともいう。
 さてこの本では、パニック障害・うつ病・エディプスコンプレックス・PTSD・過食症・ボーダーラインといった典型例について解説してくれている。それぞれ深刻な話ではあるが一番興味深いのはボーダーライン例である。実はこのボーダーラインは(もちろん精神活動は正常なのだが)、周囲にいる人間を巻き込むという傾向がある。これまでちょっと危ない人に迷惑をこうむった人には、すぐ思い出せるであろう。未に覚えが無いことをやたらに攻め立てる人や、どうでもいいことをとらえて大騒ぎする問題人物のことを。対人関係・自己評価・感情の不安定などを特質とし、以下の症例があるという。
①見捨てられることを極端に恐れる。
②ある人間を極端に理想化したりその後急にひどい人間だという。
③自分のライフスタイルが定まらない。
④衝動的な行動をとる。
⑤自傷行為
⑥情緒不安定
⑦いつも空虚感をもっている
⑧突然怒り出す
⑨妄想的である‥
 このうち5項目以上にあてはまる人間がボーダーラインとなるが、案外身の回りにもこういう人たちが増えてきた。なんとなくこの本を読むかぎりそうしたボーダーライン上の人とは関わりをもたないのが一番だ、という結論になる。特に誇大妄想的な人物というのはどこにでもいるものだから、ちょっと気をつけて接するのが重要だろう。そうした意味では役に立った本だが、ゴミ箱に捨てることにする。だって内容がちょっと古臭いので

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