2007年12月27日木曜日

あぶない脳

著者名;澤口俊之 発行年(西暦);2004 出版社;筑摩書房
 脳科学の専門家が雑談もまじえながら人間の「脳」について語る。やや極論ともおもえる著述もあるが、それも含めて「あぶない脳」というタイトルにしたようだ。
 科学の発達についても著者は「人間のおもいこみ」が激しいがゆえに「思い込み」を排除するためのツールが「科学」であるとする。総合的なデータから論理的に的確な結論を導出する方法論のことである。記憶は脳の情報処理のデータベースという指摘も興味深い。すでに蓄えられている記憶をベースに推論を加え、その結果をさらに取り込むというサイクルを演じているわけで、そうなると「詰め込み」というのもあながち悪いことではなくなるわけだ。
 人類の始まりから、いわゆる「怪奇現象」まで幅広く取り扱った面白い本。暇つぶしにはお勧め。

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