2007年12月24日月曜日

超勉強法 実践編

著者名;野口悠紀雄  発行年(西暦);1997 出版社;講談社
 この本が出た頃は一読してもその「真意」がつかめずにいた。当時の自分にとってはこの本で書かれていることがある意味では「高度」過ぎたのである。ただし時代は流れて現在、今度は「あたりまえのことではないか」という「不遜」な感慨も湧く内容に思えてきた。これは野口氏が7年前の日本では驚異的な先見性をもっていたことにほかならない。たとえばプレゼンテーションについては訓練が必要‥といっても当時の日本人でパワーポイントを操作してプレゼンするなどということは特殊な分野でしかありえなかった。現在では中学生もマルチメディアの授業で発表形式の授業をおこなっている(学校もある)。当時の「携帯ワープロ」を使用した作業もあまり一般的ではなかったが現在では表計算そのほかも含めて、電車(特に新幹線)で作業するビジネスパーソンは多い。膨大な情報の格納をパソコンは可能にし、そしてまた時代は第二段階を迎えた。「何」を情報として捨てるか‥ということである。また日本語能力と数値計算というアナログな分野でも再び国語と数学が脚光をあびている。入社試験にしろ大学入試にしろ「書く」「計算する」といった能力を軽視する「一流」というのは少なくとも私が知る限りありえない。文系大学院でも統計学の能力は求められるし哲学の最前線では数学も駆使されている(たとえばプール代数)。これから「解答を覚える」「8割主義」といった野口氏の提唱がさらに常識となってくるに違いない。なぜならこれからさらに膨大な情報量が供給され、その中での「効率的な需要」というのが必須の能力になってくるからだ。

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