2007年12月26日水曜日

商学通論

著者名;久保村隆祐  発行年(西暦);2000 出版社;同文館
主に大学一年生を対象にした入門書だが、「流通」をテーマにして具体的事例(コシヒカリや青森のリンゴなど)を交え、わかりやすく商学を解説してくれている。商学部や経済学部などでは、商学総論や商学通論などの科目が設定されてこうした基本科目を履修するらしい。簿記会計や情報処理、商法などを学習する上でも基礎となる部分をこの1冊で学習できるのだから2,300円は安いものである。著者は商学の研究を理論的研究と規範的研究に分別し、理論的研究のテーマは「知識ないし見解を統計的資料などにより裏づけし、検証」するものだとしている。また規範的研究とは「あるべき論」のことでこの両者はともに強い相関関係にあるとする。おそらくは日本では「規範」のついての言及が多く、商業に関しては統計的資料や統計的分析などがあまり明確にでてこない(統計データの母集団がきわめてお粗末という印象が強い…)。規範についての基本書ということではこの書籍はかなりお勧めできる内容だろう。ただし情報技術についての著述が浅く流通の歴史に厚いというのが難点なので、そこは別の書籍でカバーする必要があると思われる。

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