2007年12月24日月曜日

聖書と甘え

著者名;土井健郎  発行年(西暦);1997 出版社;PHP研究所
信仰と甘えなど西欧文化にみられる「甘え」現象を解読する。もっとも適度な甘え自体を否定しているわけではなく、意識されていない「甘え」の功罪を緻密に分析しているのがこの本である。キリスト教は一神教であるがゆえにすべて神との契約によって社会全体が構築されている。しかし筆者はその厳格な一神教の中にも選民思想などに「甘え」をみる。また甘えと関連して他人の妬みという現象も取り扱う。
 こうした社会全体の基礎にある甘えと契約社会との対比はすばらしいの一言に尽きる。こうした優れた書籍を新書版で購入できるという幸せをしみじみと思う。

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