2007年12月23日日曜日

株価の読み方

著者名;安達智彦  発行年(西暦);1997 出版社;筑摩書房
 基礎的なマクロ経済学の知識の若干の財務分析の知識がないとちょっと読むのには辛いかもしれない。ただし統計データについても被説明変数や統計学的に有意かどうかまできっちり説明されているので、新書にしては科学的な説明がなされていると思われる。個人金融資産の増加は国全体でみれば貯蓄の増加だが、それがストックのままでフローとして動いていかない。貯蓄がそのまま投資となれば景気も上向くというのは経済学の基本だが、この原因を心理学におくのかあるいは不確実性といったキーワードで読み解くのかは学説によるのだろう。
 ただし分散投資や投資理論がいかに発達しても株価の予測は本当にできない。結局は経済のファンダメンタルや個々の企業の投資意欲に株価は依存するのであって、マクロ経済学はその後追いをしているに過ぎないのではないかという印象を抱いた。

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