2007年12月23日日曜日

座右の諭吉

著者名;斉藤孝 発行年(西暦);2004 出版社;光文社
 福沢諭吉といえば、晩年はやや「帝国主義的」言説がめだったものの基本的には学問を「実学」としてとらえた人物として有名だ。一種西洋合理主義の走りみたいな部分もあることはある。
 斉藤氏はさらに福沢諭吉を分析し、写本や適塾などの状態について、現在に活用できる部分を提示している。その中でも「修行」という言葉が印象的ではある。一種の「才能の開花」といったものをあまり福沢諭吉は重視しておらずそれよりも現実世界で生き延びることを重視していたような感じがする。おそらくは一種の天才を除いて実際に仕事なり研究なりをこなしていくことでしか、才能も結果も開花することはないのだろう。きわめて常識的な内容が書き連ねてあるが、実はこうした常識こそが今一番社会に欠落している部分でもある。

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