2007年12月24日月曜日

日本人のための経済原論

著者名;小室直樹  発行年(西暦);1998 出版社;東洋経済新報社
 ある程度近代経済学をかじったことがあればかなりスイスイ読める本ではあると思う。一部大学の教養学部レベルの社会学の用語などもでるがそれはこの本を読んでマスターするのがよいのだろう。経済的困難をお金不足か物不足と明解に分類し、膨大な貯蓄(ストック)が消費(フロー)になるにはどうしたらよいかを考察してくれている。問題の所在をミクロ・マクロの経済学の手法を使ってかなりシンプルに提示してくれているという点で明確さは100点。ただし現実の経済現象や経済学者はこの著者がいうほど無能ではなく、こうした問題点を克服したさらにその先をみているケースも多いので、この本だけで経済学のすべてがわかるようになるのはきわめて危険。これはあくまで読み物としての経済・社会学入門としてお勧め。

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