2007年12月9日日曜日

美しき拷問の本  

著者名;桐生 操 発行年(西暦);1994 出版社;角川書店
 カリギュラ、ネロ、ヘリオガバルスといったローマ帝国の皇帝、中国の呂氏、ジル・ド・レ、ドラキュラ伯爵、エリザベート・バートリ、サド侯爵といった歴史上の人物の残虐な刑罰をエピソードとして紹介したものだが、やや内容にまとまりがなく、しかも新発見や新解釈には乏しい書籍。カリギュラの即位が西暦37年、暴君ネロが生まれたのが西暦37年で同一年で、ネロが志望したのが西暦67年と年号が近接していることや、ヘリオガバルスの即位が218年とやや時代がくだるのが面白いことは面白い。共和制も独裁制も結局権力者がやや「偏った」場合には、国を傾かせるが、それをチェックする機能が当時はなかったのだろう。ただし現代日本でも同様の「チェック機能の欠如」というのはあまり期待できない組織体もあるので、あまり歴史は「進化」していないともいえる。こうしたチェック機能のない国家の独裁者は最終的には民衆や軍隊に追い詰められることになっているが、歴史というのは一種のケーススタディだから、すべてが模倣されることはなくてもシステムが同様に反復されるケースもあるのかもしれない。と、考えるとそれなりに興味深いところではある。

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