2007年12月9日日曜日

虚妄の成果主義

著者名;高橋伸夫 発行年(西暦);2004 出版社;日経BP社
 いわゆる未来傾斜原理の観点から、企業へ残るか残らないか。あるいは、モチベーションを持てるか持てないかといった理論を導出する。そのプロセスで経営管理の歴史では必ず触れるであろうテイラーの科学的管理や人間関係論などが材料として取り上げられる。
 結局、かみくだいていくと「将来に展望が持てるか持てないか」といった「見通し」の「有無」が人間のモチベーションを決定する。したがって展望がもてないリストラやコストカットはおそらく人材の流出をまねくということを意味しており、なにやら「夜と霧」を思い出す。おそらく自滅していくパターンとしては、「将来に展望がもてない人」から自滅していき、ある程度将来に見通しがもてる人が生き残るという形になる。安易なリストラを進める経営者は将来への展望がもてない状況を作り出し、その後に続く人がいなくなるという結論である。こうした「未来傾斜原理」は「未来」に何を求めるかで人の意思決定も変わってくると思う。まずはさらにこのデフレ不況の最中にリストラ再建策を提案する企業の「非未来志向」がいかに長期的企業の発展を阻害するものか、という「事実」を明確に説明してくれる「経営学の入門書」として高い評価をしたい。

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