2007年10月9日火曜日

文系のための「Web2・0」入門

著者名;小川浩 発行年(西暦);2006 出版社;青春出版社
 入門と銘打ってある新書にしてはかなり難しい内容ではないかと思う。具体的な「2・0」の定義は示されないが、それは漠然としたウェブの使い勝手のよさのすべてを総称していることと、おそらくOSに依存しない形でのウェブが主流になっていくことを著者は主張する。また売り上げ構成におけるパレートの法則がだんだん成立しなくなっていくとともに、ロングテール(消費者層の裾野の広がり)などについても解説。次の時代のビジネスモデルも提示していく。特に今後グーグルベースというビジネスモデルの進化に興味をもっている理由も著述。
 ネット販売などが始まったころには予測がつかなかったビジネスモデルは、無料でコンテンツを提供して、その代わりにアフィリエイトなどの広告料で収益を拡大していくというもの。こうしたビジネスモデルでは、いかなるコンテンツで消費者を誘引して、さらにはいかなる広告を掲載することで収益を拡大していくか、といった方向性にビジネスモデルが変化していく。そうなるとウェブ配信などでの株価情報や教育情報といったものよりも、いかにたくさんの「クリック」を喚起できるかというのがビジネスの主眼になっていく。いずれは世界中の情報をウェブ配信できるようにするという世界のデジタル化までグーグルは想定しているのではないかという仮説が興味深い。

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