2007年10月28日日曜日

ハンニバル・レクターのすべて

著者名;新潮社 発行年(西暦);2001 出版社;新潮社
 映画「ハンニバル」の舞台となったイタリア、フィレンツェの街並みの写真紹介とグルメ紹介。トスカーナ州フィレンツェの簡単な地図をかわきりにヴェッキオ宮殿、サンタ・クローチェ教会、パッツィ家礼拝堂、ヴェッキオ橋、ヴェルヴェデーレ要塞などの紹介をハンニバル・レクターが愛用していたという設定の店の数々。イタリアの街の中でもトリノのような工業都市とは異なる伝統の重さがひしひし伝わってくるかなり写真やイラストを多用した豪華な本である。「羊たちの沈黙」で脱走に成功したハンニバル・レクターはその後フィレンツェでイタリア語をたくみに操る学者として成功している。もちろんその姿はいずれ明かされるわけだが、稀代のインテリであり、殺人美学なるものを実践している「怪物」の潜伏場所としては世界の中で一番適した場所だったのかもしれない。ハンニバルの脚本なども収録されており、ラストの描写についていろいろ意見がかわされた背景もあかされる。フォションが実際にレクター博士のランチを作成するなど、細かいところまでこだわった映画副読本。
 とはいえ個人的には「ハンニバル」や「羊たちの沈黙」よりも「レッド・ドラゴン」というあまりハンニバルが表にでてこない作品が一番好ましいのではあるが。

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