2007年10月27日土曜日

世界地図から歴史を読む方法②

著者名;武光 誠 発行年(西暦);2002  出版社;河出書房新社
 世界史と地理というのは受験勉強としてとらえると非常に「無味乾燥」な科目だが社会人となってこうして一般書籍で娯楽として読む分には非常に面白い。なぜ面白いのかといえばおそらく現代社会に起こるさまざまな事象が実は過去の歴史に相当に因縁があることがわかるからかもしれない。第1巻も読んだのだが第2巻のこの本の方が面白い。人類の始まりとか民族大移動、アレクサンダー遠征、ローマ帝国のシーザー、中国統一、パルチア帝国といった近代以前の歴史からアメリカ独立戦争、フランス革命、ウィーン体制、イギリスのインド支配そして21世紀のイスラム問題などまで新書1冊でよくここまで扱えるというほどテーマは大きくしかも幅広く地図をまじえて紹介してくれている。歴史の深みを味わうにはまず粗筋をおさえておくことも楽しみの一つ。世界史の本だけだと地図がかけていて地理関係が頭に入りにくいがこの本では地図がちゃんとまめに入っているので読みやすいというのもメリット。トルデシリャス条約などでスペインとポルトガルの境界線がちょうど日本を縦断していたりするなど、頭の中で想像するだけでは足らない部分も補ってくれる。第1巻では「ちょっと…」という感じも正直あったが、第2巻は新書にしては思わぬ拾い物をしたという感じ。お値段のわりには、お買い得な一冊だと思う。

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