2007年10月27日土曜日

休暇力

著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2004 出版社;インプレス
 「休暇」については3つのとらえ方があるという。①身体の疲労を癒す目的②心を癒す目的③ご褒美・景気づけの目的。そのうち積極的な目的が景気づけの③ということになるが、②についても要注意だと筆者は指摘する。②の目的での休暇をとらないと疲労を蓄積した結果、「理性の力が弱まる」と指摘。欲求を抑えるのが「理性」だとすると疲労を残す結果理性の力を弱めて欲求を行動に移す結果、犯罪に手をそめて瞬時に人生を棒に振る、結局は「心の疲労は人生をくるわせる危険性を秘めている」と指摘。
 昨日何某地方自治体の部長職の人間が電車の中で「鬘をつけてミニスカートをはいて女装し、さらに下半身露出」の罪で逮捕。書類送検されたが、現実的には、そのまま定年までいれば数千万円の退職金をもらえたはずの人生ではあるが実際には諭旨退職か自主退職の道を選ぶことになるだろう。「解放されたかった」というのが本人の弁らしいが、その「欲求の解放の仕方」に理性が歯止めをきかせられなかったのは、思うに明確な目的意識の欠如、さらには普段の業務のストレスの増加などが推察される。どうしても日本人は休暇について目的意識をもって消化するという発想に乏しいのだが、身体・精神そして御褒美という3つの目的にてらして適切に休暇を消化していく重要性をさらに認識するべきだろう。

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