2007年10月27日土曜日

くらたまのどっちが委員会!?

著者名;倉田真由美 発行年(西暦);2003 出版社;講談社
 「彼にするならどっち 年上?年下?」「男を狙うならどっち 大物一本釣り?底引き網取り?」といった両立がなかなか難しいテーマ(特に恋愛関係)をネタにしたマンガエッセイ。このマンガを書き始めた頃には結婚していた著者も出版するころには離婚だったとか。自虐的なタッチにリアリティあふれる生活感覚は、すでに西原理恵子というこの道では「プロ」の領域にある先輩もいるだけに、西原理恵子と異なるアプローチで、恋愛や結婚をテーマに描写。ただなんとなく読んでいるうちに「寒々」としてくるのは、マンガのストーリーの背後に流れる「序列感覚」とか「階級社会」みたいなもののせいか。もっと開き直ればもっと面白くなるかもしれないのに、おそらく「常識」とか「世間」とかいうものを著者が意識しすぎていて、そこから逃れようとするあまり、かえって逆に「寒々しい階級社会」みたいなものを感じてしまうからかもしれない。いっそのこと白夜書房あたりの過激な「なんとかパーティ」みたいなものに参加しておもいきり既成概念を崩してしまったほうが、読者がほっとする瞬間もあるのかもしれず…。「そんなことない」「そんなことない」‥と否定を何度もしていると限りなく「肯定」に近いニュアンスを帯びる…というのとちょっと似ているのかもしれない。

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