2007年10月15日月曜日

子どもの脳が危ない

著者名;福島 章 発行年(西暦) ;2000 出版社;PHP新書
 環境ホルモンなどの影響が脳のハードウェアなどに与える影響を考察。やや「暗い」事件が続く中、昔読んだ本をひっぱりだして読んでみる。社会学や心理学あるいは犯罪学といったジャンルの学問は主にソフトウェア面での分析だが、この本はMRI画像などを交えたハードウェア的な分析に徹底する。生物・心理・社会といった3側面にまず分類して生物学的な側面のみに「集中」していく。合成黄体ホルモンと環境ホルモンの類似性やダイオキシン、DDT、BHCなどの化学物質と「学級崩壊」やADHDなどの相関関係を分析。さらに世間をゆるがせにした神戸の「例の事件」などを紹介してくれるのだが…。
 「形態と機能」に集中したこの本はタイトルも含めてあまりこれまで語られてこなかった言論かもしれない。読んでいてちょっと「う~ん」と考え込んでしまうことも実は個人的にあったのだが、多様な分析こそが現実を分析するのに必要な科学的態度といえるのかもしれない。

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