2007年10月31日水曜日

イチロー勝利の方程式

著者名;永谷脩 発行年(西暦);2001 出版社;三笠書房
 冷徹なまでに自分の目標と現在の距離感をはかり、目的に向かって試行錯誤しながら努力を積み重ねる。理論的に正しいことだが、理論でそうであっても実際にそこまで「正しい努力」を積み重ねるのは並大抵のことではない。「恵まれていない体だからこそ鍛えがいがあると思うんです」「自分でやる練習は、ただやればいいというのではダメなのです」「無理をして体に負担をかけるよりも、状況に応じて目的を決めてやる。それが継続してできればそれでいいと思っています」といったメタ認知と目標設定能力の高さ、そして継続とテーマ性をもつ練習。まさしく「技」をいかに高みに持っていくのかというお手本のような本だが、実際にそれで結果がでているわけで、だれもそのイチローの美学に対して異論を挟む余地はないだろう。おそらくマイペースであり、しかも時には偏屈な様子すら第三者には伺えるが、それでもなお、イチロー語録の内容にうなづけるのは、天分としての才能以外にメンタルなトレーニングや厳密かつ継続した練習という実績があってのこと。こうした野球理論を自分の今の状況に置き換えてみると、いろいろ「まねる部分」「まねたくない部分」といったものが浮かび上がってくる。スポーツや野球の面白さは確かに自分自身で実際に運動してみることかもしれないが、さらにその内容をいろいろな場面、たとえば仕事や勉強といった分野に応用可能な点ではないかと思う。

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