2007年10月27日土曜日

脳の中の人生

著者名;茂木健一郎 発行年(西暦);2005 出版社;中央公論新社
 最近「脳」ブームということでこうした企画本がたくさん出版されるのは非常に嬉しい。ただあんまり脳科学に偏りすぎているとどうしても「せちがらく」なる印象もあるので、「人間はおもいつきでものをいう」とか「当たり前の判断が人生をつくる」「世界の中の自分を楽しんでいますか」といったタイトルで脳について語ってくれるとなんだかほっとする部分もある。自然保護とか「常識」とかいったものまでも柔軟に扱ってくれるので、百マス計算や音読教育の重要性は認識しつつも、こうした多角的なものの見方も同時並行で残しておきたい。
 脳は刺激を求める…といった一種の開き直りを「何が起きるか人生わからない」のでだとしたらいっそ新しい出会いを志向したほうがよい…といった積極的な態度に転じることができる著者は、読んでいる人間にもエネルギーを与えてくれる。ただ、やっぱり相当な変人ではないかと思うが、東京大学の理学部を卒業してから再び法学部に入学して再び大学院では理学部に入りなおして、現在はソニー関連の企業でシニア・リサーチャーといういかにもソニー的な天才肌の人だ。担当している科目が認知科学や美術解剖学というのもすごい。この著者の本はまだ2冊しか読んでいないのだが執筆目録にはまだたくさんの書籍があるので、これから継続して読んでいこうと思う。

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