2007年10月27日土曜日

プロが教える中小企業の新「会社法」対策

著者名;鳥飼重和・内田久美子 発行年(西暦);2006 出版社;TKC出版
 合計で135問の疑問に解答をつける形式になっているが、これまで読んだ本の中でも出色の出来の解説書だと思う。対称を中小企業に絞っているからかもしれないが、合併の対価の柔軟性など実務に即した解説がなされており、きわめて理解しやすい。非公開会社ではおそらく新たな株主を迎えることに不安があるはずだが、対価を株式以外にすると組織再編がきわめてやりやすくなるのはこの本のとおり。さらに存続会社の株主総会の決議要件について、消滅会社の株主への財産額が存続会社などの純資産額の5分の1を超えない場合には、株主総会の承認が不要という規定もある。旧商法では20分の1だったから企業の再編は本当にやりやすくなったといえるだろう。合併や買収などによって逆に企業生命が延命する会社もでてくると考えられるのでこれまで大企業中心の合併などが一挙に非公開会社や中小企業にも道がひらかれたと考えられるだろう。こういう実務中心の解説から逆に大企業のあり方なども垣間見えて、非常に興味深い内容。会計参与についてもいろいろな指摘がなされておりお勧めの一冊ということになるだろう。価格が2200円というのは確かに厳しいのだが…

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