2007年10月28日日曜日

ヒューマンリソース

著者名;グローバルタスクフォース 発行年(西暦);2002 出版社;総合法令
 ヒューマンリソースとはもともとMBAの学位の一つとして海外の大学院で履修できた科目。そのエッセンスは今日邦訳で書店で簡単に入手できるようになった。人的資源の管理と組織行動をいかに充実させていくか、といった理論だが、その中には人材の適正と採用、キャリア開発プランといった非常に難しい問題も存在する。生身の人間が対象となるだけに必ずしもこうしたヒューマンリソース理論がすべての企業に等しくあてはまるわけではないだろうが、組織の活力をそこなわずにいかに戦略的な人事配置(内部フロー)を行うべきかといった一つのモデルを示しているといえる。
 ともすれば人事管理は派閥の原理や経営者の恣意的な人事配置に左右されがちな面があったが今日の経営学ではそうした恣意性をなるべく排除して、つとめて人間一人ひとりの活力を組織全体の活力に結び付けていこうとしているように思える。感情論に左右されない人的資源管理へと時代は動いてきたのだが、こうした理論が日本でも取り入れられるようになった背景には、昔と違って、転職市場が発達し、有能な人材のやる気をそいだ場合には位置も簡単に別の組織へ移動してしまう時代になったということも影響しているのかもしれない。

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