2007年10月27日土曜日

ひらめき脳

著者名 ;茂木健一郎 発行年(西暦);2006 出版社;新潮社
「アハ体験」と命名される前頭葉と側頭葉との関係やセレンディピティと名づけられる幸運とのめぐり合わせなども一種の「ひらめき体験」として位置づけて、ある程度の知識や体験と意欲との「乗算」結果がひらめきに直結するととく。実用的であると同時にそれまで概念がつかめなかったものをはっきり自分の前頭葉で認識することは人類にとって最大限の至福であることも切実に訴えられており、そのために必要なのはやはり一種の「質感」(クオリア)と呼ばれるものになりそうだ。
 わかりやすい文体で各種のロールシャッハ的な図版も織り込まれ、脳と心の関係を推察するのには非常に適切な新書。神経細胞と神経細胞の結びつきをいかに高めていくかについてもそのシステムが紹介されており、非常に興味深い。

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