2007年10月27日土曜日

他人を見下す若者たち

著者名;速水敏彦 発行年(西暦);2006 出版社;講談社
 「仮想的万能感というのがキーワードになりそうだ。人間の感情を「自尊心」と「万能感」の2つの軸できりとり、「実際にはそれほどでもないし実績もないけれども万能感があって他人を見下す」ことを仮想的万能感といい、この現象が20代と50代の両方に強くみられるのではないか。しかもそれはおそらくデジタル機器などによって世界の情報を瞬時に知ることができる今という時代のせいもあるのではないか、という言説になる。でも考えてみると自分自身がどの程度の人間でどの程度の実績かということもインターネットで知ることができるわけで、しかも自分が若いときには今よりは確実に「万能感」にあふれているのは間違いなく、現代に特有の傾向と断定することはすごく難しい。若者が他の世代よりも無茶だったり自分を過大評価するのはいつの時代でもそうなわけで実際の社会にでてみて自分のたいしたことなさと実感して、等身大の自分で仕事をしていくうちに現実社会と向き合うという構図がある以上、30代、40代がわりと自分を客観的にみれてその分20代が「仮想的万能感」にひたるのは無理もないことのように想われる。

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