2007年10月13日土曜日

ビジュアル愛蔵版ダ・ヴィンチ・コード

著者名 ;ダン・ブラウン 発行年(西暦);2005  出版社; 角川書店
 文庫本でなはなく約140種類の写真や図版も一緒に収録されたビジュアル愛蔵版の「ダヴィンチコード」を読む。図版クレジットや解説も含めると合計で621ページにもなる大型版だがジャン・フーケやアルブレヒト・デューラーなどの図版を適宜掲載されており、小説の世界がさらに深く楽しめるようになっている。粗筋自体ももちろん面白いミステリーなのだが、「岩窟の聖母」の絵画なども192ページにナショナル・ギャラリー版とルーヴル版の両方が比較できるように収められたり、サン・シェルプス教会の外観や内部などの写真が掲載され、具体的なイメージを頭の中に思い描きながらストーリーをおうことができる。「ヴィーナスの誕生」(ボティチェリ)も掲載され、ダビデの星やイシュタールとの関係などがすぐわかる編集上の「仕掛け」がしてある。ラストシーンもこの写真があればこそ、さらに深い意味が理解できるというものだ。美術ミステリーともいうべき推理小説だが、読んでいて歴史や美術、象徴などについてもいろいろな「理論」を教えてくれるベストセラーになるべくしてベストセラーになった作品であることを実感。価格4,500円はむしろ安いくらいであろう。

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