2007年10月29日月曜日

食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字(上)~

著者名;山田 真哉 発行年度;2007年 出版社;光文社新書
 株式投資などの項目は面白いが「数」そのものの話になるとやや退屈。数の論理とかエピソードなどはやはり数学の歴史などからのアプローチのほうがやはり面白い。アニメ関連のバブル、財務諸表の数字をチェックするといった会計学もしくは監査実務の話になると面白くはなる。特にトランプのジョーカーとチェック項目をたとえるあたりが有用。決算書を過去5年間分excelに入力して数字の変化を追うとか、変化をグラフで見えるようにしておくといったスキルが面白い。利益が黒字ギリギリの場合には粉飾決算を疑ったほうがいいなど、「数」よりも「数の活用」に話をしぼったほうが新書サイズとしてはもっと売れる本になりそう気がする。勘定は感情ではなく勘定でおこない、数の順位性・単位・価値の表現・変化しないといった特質を理解して会計学の活用にいかしていくのには、読んでおいても悪くはないが、ちょっとパワーが落ちているのかなあ…。巻末の索引(1ページ)とミニミニ会計セミナー(6ページ)の有利子負債比率、PER(時価総額÷当期純利益)、PBR(時価総額÷純資産)の活用方法が役に立つ。

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