2007年10月27日土曜日

数学を愛した作家たち  

著者名 ;片野善一郎 発行年(西暦);2006  出版社;新潮社
 文学者を中心にとりあげて、その数学の出来・不出来を紹介するというエピソードの数々。夏目漱石は数学と英語が苦手だったもののその後英国に留学したり、数学を教えていたりするし、二葉亭死命は数学ができなくて士官学校不合格だった…など明治初期の人材発掘の状況や「文学に数学は必要ない」とする見解の一面的なものの見方を否定する本になっている。一般人と同じで文学者でも数学が好きな人と苦手な人がいる。統計的に見てあたりまえのことなのかもしれないが、エピソードがまとめて出てきてはじめて納得できる「偏見の否定」ということにもなる。
 ポール・バレリーやスタンダール、スウィフトなど海外の文学者についてもエピソードがまとめられており、面白い。

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