2007年10月15日月曜日

マキアヴェッリ語録

著者名;塩野七生 発行年(西暦);1994 出版社;新潮社
 300年間という月日の栄光に輝いたフォレンツェ共和国とマキャベリ。あくまで現実を客観的にとらえようとしていたマキャベリの語録を塩野七生が編集。単なる語録ではなくフィレンツェ共和国の衰退の原因をマキャベリの語録に求め、さらに「興隆の原因となったと同じものが衰退の要因になる、という私の仮説が正しければ、衰退期をとりあげるだけでも必ずしも不十分とはいえない」というくだりにも見られるようにマキャベリの語録の中にフィレンツェ共和国の興亡の要因を見出そうとする野心的な「語録」。「ある人物が、懸命で思慮に富む人物であることを実証する材料の一つは、たとえ言葉だけであっても他者を脅迫したり侮辱したりしないことであるといってよい。なぜならこの二つの行為とも、相手に害を与えるのに何の役にも立たないからである。脅迫は相手の要心をめざめさせるだけだし、侮辱はこれまで以上の敵意をかき立たせるだけである。その結果、相手はそれまでは考えもしなかった強い執念をもって、あなたを破滅させようと決意するに違いない。」。「マキャベリスト」とは、少なくとも現実から導き出された経験則であり、しかも歴史は「経験主義」の積み重ねだったのだ…とあたりまえのようにあらためて想う。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは

あれれ?こちらにもまた内容の濃~いブログがあったのですねえ(笑)

塩野七生さん、一時期結構ハマり読んだことがありました。この方、確かイタリア在住ですよね。

以前女性誌でブルガリだったかグッチ(ではなかったと思いますが・・・)の上得意様で素晴らしいコレクションをお持ちでして、また素敵なドレス姿を披露されていましたよ。

知性と教養に溢れ、一流品をさり気なく美しく着こなしていました。 見た目も確かに大切ですが(笑)やはり内側から溢れるモノって大切ですね・・・。

gie さんのコメント...

>るしあんさん こんばんは。
 この地味なブログへの投稿本当にありがとうございます。塩野七生さんといいますと「男たちへ」と題するかなり刺激的な本もおありですが、ローマやイタリアの文化・歴史を通じて、非常に精力的にお仕事をされていますね。文章も上品ですし、非常にきりっとした感じがして私は大好きです。「男たちへ」は読んでいまして、内容的に男性読者が増加したというのもうなづける内容でした。「現代」はもちろんのこと「未来」にも通じる普遍的なものを感じます。

 あ、ご本人も本当にお綺麗な方ですよね…。