2007年10月9日火曜日

石の花③~内乱編~

著者名 ;坂口尚  発行年(西暦);1996 出版社;講談社漫画文庫
 セルビア人を中心とするチュトニクとパルチザンとの間での内乱が続く一方、もともと民族の寄せ集めとされていたその「くさび」をナチス・ドイツはひたすら利用していく。そんなさなか、パルチザンは志願兵をつのり、ユーゴスラビアを一体化してナチスと戦おうとする。ただクリロはそんな「力」と「力」の戦いにも限界を感じ、さらに敵はナチスだけではないことにもうすうす気がつき始めていた。
 少年兵の組織化やもともと価値観がフリーだったジャーナリストが共産主義化していく様子なども細密に描写。人間模様の複雑さが増していく一方で、やりきれないほど残酷なシーンをこれでもかこれでもかと凝縮して書き続ける坂口尚のとてつもない執念を感じる第3巻だ。

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