2007年10月3日水曜日

しのびよるネオ階級社会~イギリス化する日本の格差

著者名;林信吾 発行年(西暦);2005 出版社;平凡社
 一風変わった「ネオ階級社会」論。英国に住んでいた頃の階級社会の様子と現在の日本を比較して、資産の有無で階級社会化がもたらされるリスクを指摘する。ロンドンのバスの運転手はワーキングクラスで、タクシーの運転手はロウアー・ミドルクラスとされている理由や、パブの中がサルーンとバーに分かれていることなど、この本を読んで初めてしったことも多い。英国の公教育におけるプライマリー・スクール、グラマー・スクール、テクニカル・スクール、ステート・スクールの紹介や義務教育終了後、公立学校の生徒の7割近くが社会に出ていたといった1970年代の労働党政権時代までのエピソードや、三分割されていた中等学校をコンプリヘンシブ・スクールに改革したエピソードなど労働党と保守党の二大政党制の裏側の分析も楽しい。

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