2007年11月6日火曜日

MASTERキートン14巻

 「バラの館」不審な事故死を遂げた夫の未亡人が謎の男に追跡される。ただ亡くなった夫は顔にバラの傷がついていたが、倒れていたのはスターリング・シルバー種だった…
「光なき世界の住人」…東西統合直後のドイツ民主共和国。ノルデン市立博物館では第二次世界大戦中ヒトラーが世界中からかきあつめていた収蔵物の整理をしていた。ウルのモザイクにクメールの仏像、アステカのピラミッド石、そしてエジプトの古代ガラス…。ネオナチが台頭する中、東西分裂時代の美術品の密輸出の謎をおう…

「光なき世界の住人」の資料整理係ウェーバー。ドイツ人ではあるが社会主義政権時代にユダヤ人差別の圧力にかかり殺害されてしまったユダヤ人エヴァの復讐をはたすため、全身の力をふりしぼる…。「ネオナチ」の存在を描きつつ、「ネオナチ」ってとことん「思い込み男性の美学」なんだな、と男性である私自身も思い知らされるストーリー展開。「ウエスト・サイド・ストーリー」などにも見られるような「貧乏」と「マッチョリズム」の奇妙な結合…。「貧乏」って結局こういうことだったのか、などとも思いつつ。

 英国サフォーク地方の19世紀からあるパブ。パブの壁紙をはがすとそこには日本の浮世絵がたくさんはられていたという場面。実際のエピソードの真贋はともかく、江戸時代にオランダとの貿易を通じて浮世絵が欧州に流れ出てジャポニスムブームをよんだことは事実。となるとそれが英国のパブの壁に面白半分に貼られていた…というようなことも充分ありうる。
 
「負けの数が多いほど勝ったときの喜びは大きい…」すべての失意にある人におくりたいメッセージがこの台詞に凝縮されている…「バブルの塔」といわれるような巨大ビルの建設途中に資金繰りに困り倒産した会社の社長。「再び立ち上がる気力」をいかにしてふりしぼるか、ふりしぼれるか。希望をなくしても立ち上がる気力を振り出したい人にはぜひお勧めしたいコミック。泣けたなあ…。

0 件のコメント: