2007年11月25日日曜日

知識人99人の死に方  

著者名;荒俣宏 発行年(西暦);2002 出版社;角川出版
 いわゆる知識人99人の死に方や死に際しての逸話を特集したもの。特に巻末には死因ごとに知識人がデータベースとして収録されており、だれがどういう病気で死んだのかがわかるようになっている。近代が「死の瞬間」を重視するあまり、死の準備というかその前段階をある程度「問題の外」におく傾向があったのかもしれない。どうしても知識人の死に方というのは、その前段階については省略されがちだったりするが、だいたいどの知識人についてもその数ヶ月前あたりからさかのぼったエピソードが収録されており、それが99人分並列して配置されてみると人間というものについていろいろ考える材料には確かになる。こうした死の瞬間についてはもちろんキューブラー・ロスとか「臨死体験」とか種々の本があるわけだが、データベースとして配置されるとまた既存の書籍とは異なる感慨もうまれてくるというもの。気軽に読み始めて一気に最後まで読めるエンターテイメントであると同時に資料としても有用かもしれない。

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