2007年11月25日日曜日

科学の考え方・学び方

著者名;池内 了 発行年(西暦);1996  出版社;岩波書店
 時計が右回りの理由など(エジプトの日時計)エピソードにもあふれて非常に楽しい。だがしかし経済学など社会科学の「効用」については次の1節がすべてではなかろうか。
「科学的知とは、知識の集大成のことではなく、科学がもつ論理を有効に使って見えないものでも見る、つまりたとえ見えなくても科学によって理解できるようになる力である」という定義。経済学にしろ社会学にしろ、現実に体験したりみることができる範囲は限定されている。限定された範囲内からいかにその「向こう」を予測できるかが「科学」のポイントであろう。とはいえもちろん「見えないもの」や「論理」で解明されたない表層文化についても語ることによって文化の豊饒性がさらに増す…というのは人文科学の「科学」たるゆえんであることはもちろん承知の上ではあるが…。

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