2007年11月18日日曜日

「脳」整理法

著者名 ;茂木健一郎 発行年(西暦);2005 出版社;筑摩書店
 「私が遠くを見ることができたのは巨人の肩に乗っていたからだ」(ニュートン)。あふれる情報と知識をいかに生活に結び付けて「整理」していくか。そのためには不確実性(隅有性)といかにして戯れるかといったテーマで語られる。安易な正解ではなくむしろ偶然性があるからこそ悲劇もうまれるということまでみすえて、だからこそ一回しかであえない偶然のアクシデントが感動を生む。「意識」をもち「質感」(クオリア)を感じる人間だからこそ、さまざまな生活の知恵や世界的な知恵もうまれてくる。不確実性の中で、それでも絶望的になることなく、今ここにある生活と世界をみすえる。大胆なテーマだがこれ理科系の人の考えなのにきわめて哲学的。
 偶然とたわむれることなどまだ私はその領域にまでとうてい達し得ないが、この著者しかも40代前半という若さでここまで達観できるということにも感銘を深く受ける。

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