2007年11月24日土曜日

臨死体験(下)

著者名;立花隆 発行年(西暦);1994  出版社;文藝春秋
 やはり一種の脳内現象として理解するほうが妥当という結論に傾く。しかもこの本を読むと他のオカルト現象も錯覚や脳内物質などである程度説明が可能になるというメリットつき。「生きている間は生きることについて思い悩むべき」という筆者の主張はもっともだ。
 374ページの大脳辺縁系の図が面白い。人間の頭脳を立体にして斜めからみて図解しているのだがこうした図解は他の本にはなく、非常にわかりやすい。扁桃核や海馬の位置関係もスッキリ理解できる。動物の生命本能の機能や感情機能など重要な機能をイメージとして理解するのには非常によい。また感覚遮断などで無意識層が引き出されジョルジュ・サンドなど種々の芸術家が無意識層を引き出して創造性の開発に利用していたことなども紹介される。こうした脳の現象についての解説をみると人間の脳といいうのは不可思議なとんでもない奥行きをもった装置だと思う。

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