2007年11月21日水曜日

生き方の美学

著者名 ;中野孝次 発行年(西暦);1998 出版社;文藝春秋
 ひさかたぶりに「ひどい本」を読んでしまった…。なにせ「生き方」の「美学」であるからして、当然に多種多様な価値観がある程度はあっていいものなのだろうが、モデルになっている人物のほとんどが帝国大学卒業でエリートになれたけれども体勢に異をとなえて自分の道をいった人ばかり。そういう生き方も一つの選択肢だけれど全員がそうした隠遁生活に入ってしまったらこの社会は成立しないではないか。だれもがみな地位やら役職やらにミレンがあるわけではなくて、それなりに高いポジションには大変な義務が生じるケースだってかなり多い。悪例として出されるのがいわゆる汚職をした高級官僚だが、高級官僚の大多数はやはり熱心に働いているわけでそうでなければ普段の生活がこんなに安定している国は世界でもそうあるわけではない。
 あれかなあ。他人になにかしらの哲学とかライフスタイルとかを説教する人ってどこか無知なんではなかろうか。こういう作者の略歴はしっかり東京大学文学部卒業だったりしてそれもなんだか…。

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