2007年11月24日土曜日

「企業会計」9月号(中央経済社)

著者名;中央経済社 発行年(西暦);2005 出版社;中央経済社
 会社法改正にからむ「変貌する資本制度」についての特集号だが関係する論文は正味で5本。「資本制度の国際比較」ではアメリカにおける資本制度の形骸化とヨーロッパでの資本制度、そして日本の資本制度の展望が試みられている。また「新会社法による資本の変容」では昭和25年以後の商法改正をふりかえりつつ、今回の商法改正を総括し、その次の「債権者保護機能からみた資本制度」「会計理論からみた資本の部の変容」に論点が橋渡しされる。個人的にはこの「会計理論からみた資本の変容」が一番論点がわかりやすかった。資本取引という意味が「株主取引」に限定されつつある現状やそうした意味でのその他有価証券評価差額の資本計上の問題点(その他有価証券に評価差額が生じてもそれは株主には関係がないので)や現在では剰余金区別の原則があまり重要ではなくなってきていることなどが指摘されている(たとえば自己株式処分差額などは暫定勘定項目となる)。やはり会計専門の雑誌だけあって非常によみごたえのある論文が揃うがたまにはこうした雑誌を読み解くのもいいことだと思う。ただし値段が高いのが頭が痛い…。

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