2007年11月18日日曜日

やんごとない姫君たちのトイレ

著者名;桐生操  発行年(西暦);1995 出版社;角川書店
 トイレとかお風呂とかに関する歴史上のエピソードを集めた本だが非常に面白い。特にフランス王家の登場する比率が高くアンリ4世とその息子のルイ13世、さらにルイ14世、ルイ15世とポンパドール夫人のエピソードは非常に印象的。東洋のエピソードも一部混じっているがやはりルイ14世の築いたロココ王朝の文化は今でもその名残を残しているようだ。このルイ14世は「歯から病気に感染する」といわれて歯を全部ぬいてしまったり、ネクタイを発明したりとはなはだすごいところに太陽王の名残を残している(もっともネクタイのさらに源はローマ時代に出征する兵士の妻が安全を祈って首にまいたものとか)。
 ルイ15世の愛人ポンパドール夫人はハーレム(プチ・メゾン)を建築するは、金属製のビデを2つ持っているは、かなり大きな浴槽をルイ15世から譲られてそれを噴水に転用するはとエピソードの宝庫。さらにブラジャーが発明されたのはベネチア共和国の時代だがそれが多数用いられるようになったのはロココ王朝の時代。コルセットもロココ王朝でかつらや白肌のお化粧もロココとなればほとんど現代のお化粧のあらゆるパターンがロココ時代に模索されていたことになる。むちゃくちゃ面白いのだが、残念なことにエピソードにまとまりがない。もう少し時代ごとに並べるとか工夫があればよかったのに。

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