2007年11月24日土曜日

ハプスブグルグの女たち

著者名;江村洋 発行年(西暦);1993 出版社;講談社現代新書
 ハプスブルグ王朝の魅力は、一種の「特権階級」でありながら、人間臭さがにじみ出てくる独特の家風にあるのではなかろうか。時に屈辱的な環境におかれ、耐えに耐えて最後には政治的に勝利するという独特の手法でフランス革命やナポレオンの荒波を乗り越えて最後の皇后は1989年に亡くなる(ティタ皇后)。この本ではマクシミリアン1世のお后(マリア)、フィリップ美公の妻と妹(ファナとマルガレーテ)、「貴賎結婚」、マリアテレジアとその嫁、娘、マリー・ルイーズとレオポルディーネ、バイエルンからの花嫁(ゾフィーとエリザベート)、フランツ・フェルディナントとゾフィー・ホテク(第一次世界大戦のきっかけとなる暗殺事件の被害者)、カール1世とその妻ブルボン・パルマのついて特集されており、初代ルドルフ1世からハプスブルグ王朝の歴史を一気に近現代までかけあがるがそのスピード感がまたたまらなく面白い本でもある。
 オーストリア継承戦争や7年戦争などの歴史的背景やその当時の王朝の対応策などがまた別の視点から理解できる。豊富な図版と絵画の挿絵もまた魅力だ。

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