2007年11月24日土曜日

天の涯まで(上)ポーランド秘話

著者名;池田理代子 発行年(西暦);1991 出版社;朝日新聞社
 ちょうどエカテリーナ2世やフリードリヒ2世、マリア・テレジア(その息子ヨーゼフ2世)といった世界史の主人公ともいうべき君主がそれぞれの思惑で国土分割をおこなった時期。その影にかくれてとうのポーランドの視点で当時の歴史を伝える試みというのは少ないわけだが、ポーランドの国王そしてその嫡子と非嫡子の兄弟を軸にさらにオーストリアとロシアの思惑に左右されていたポーランドの歴史を描く。おりしもトルコのロシアに対する宣戦布告やポチョムキン将軍など登場人物も絢爛豪華。さらにフランス革命はポーランドの愛国者たちを刺激するという「いい場面」で上巻が終了。解説は社会評論家の小沢遼子で、フランス革命と全共闘世代のシンクロやフェミニズムの台頭とオスカルとの関係などについて書いている。なぜこんな古ぼけたマンガ本が書棚にあったのかは不明だが読み返してみてもとにかく面白い。蹂躙された国家の栄光復活を願う陸軍将校というのは合併・吸収された企業の人にもなにかしらのヒントにはなるのかも。

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