2007年11月18日日曜日

働くことがイヤな人ための本

著者名;中島義道  発行年(西暦);2001 出版社;日本経済新聞社
 「働く」という言葉の意味はいまひとつ今でも自分でもよくわかっていない。金銭を得るために労働を提供するとか、そうした経済学的な定義だけではおさまりがつかない。だって人によってはお金を度外視しても仕事にうちこむケースもあり、そうした場合には、仕事には労働の提供以外に、娯楽とかゲームとかいった要素も入ってくる。ベンチャー企業の労働にはおそらく博打を楽しむような面白いさもあるのではなかろうか。で、著者は科学哲学の専攻なので哲学的に話が始まり、要は高等遊民のような生活とか人生に合理性を求めるな…とかそうした議論を展開しているように思えた。「思えた」というのはこの著者にも結論はでていないので、読んでいる側である程度結論をはしょって理解しないと、実際の生活はできなくなるという内容だと思う。「不器用なたくましさ」といったキーワードや運不運とかいった言葉もでてくるのだが、あまりこうした哲学的な議論をるよりかは、まず何かをはじめたほうがかえって早道なような気もする。こうした哲学的議題がどうであれ、まずは現実世界で生活をしなくてはならないのだから。

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