2007年11月20日火曜日

世界地図の楽しい読み方③  

著者名;ロム・インターナショナル 発行年(西暦);1999 出版社;河出書房新社
 実用性は専門家以外には多分ないであろう地図のお話。でもこうしたエピソードばかり読んでいると結構楽しい。たとえばパリでは地下から石を取り出して都市を建設していったので、地下通路ができあがる。最初から地下街や地下鉄を作ろうと思って彫っていたのではないから、陥没事件などもけっこう昔はあったあそうだ。地下水道もあるが、ところどころに貯水池もあり、それが「オペラ座の怪人」に引用されている地下水路。かつての石切り場に水が蓄えられて、1万平米もあったという。またアフリカ最古の王国エチオピアには4世紀ごろにはキリスト教が伝わり標高3000メートルの場所に6世紀に修道院も建設されたとか。大西洋に望む街リスボンは古代フェニキア人によって開かれ、首都になったのは13世紀。坂道が多いのでケーブルカーが利用されているなど。イタリアもまた1803年にナポレオンがイタリア共和国をたてるまではその名前がなく統一国家になったのは1861年。長身で金髪の北イタリア人、づんぐりで栗色の髪のアルプス人、小柄で骨太な体系に縮れ髪の地中海人種など生物学的にも北部と南部の差は大きいという。イタリア人が都市や地域で「ナポリ人」などと名乗るのは、ベネチア共和国など多数の国家に分かれていたことのみならず、人種的にも差異が大きいからだそうだ。こうした知識がなにかの役に立つのかというと実はたたないのだが、でも楽しいことは楽しい。知らないよりは知っているほうがすごく個人的には楽しいのだが。

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