著者名;武光 誠 発行年(西暦);2001 出版社;河出書房新社
テーマは壮大なものの、やや新書では扱いきれない世界史の概観と地図のお話。中国、ロシア、インド、モスクワ公国、ローマ帝国…とそれぞれ一つのテーマだけで本ができるくらいのテーマを扱っている関係で、世界史の粗筋と簡略化された地図の掲載が精一杯といった感じだろうか。中世の強者はヨーロッパでも中国でもなく、イスラム教徒であるサラセン帝国と騎馬民族であるモンゴル帝国とか、わかりやすい文章もあるのだけれど、ただ単に歴史的事実を並べておっていった章もある。読み物というよりかは参考書といった感想になってしまう。フランク王国と現在のフランス、ドイツ、イタリアとの関係ももう少し踏み込んでほしかったなあ。フランク王国がカソリックに改宗して西ローマ帝国の称号を与えられて、その後カペー王朝のもとでフランスが兄弟になって言ったのはわかるのだけれど、案外書籍では著述されていないフランク王国がいかにしてベルダン条約を結んだのか、とかその線引きはどうやって決めたのかとかそうした経緯が地図で示されていると有難いのだけれど。ただカペー王朝→バロア王朝→百年戦争→ブルボン王朝といった歴史関係についてはそこらの受験参考書よりもわかりやすいかも。しかしなあ…。
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