2007年11月17日土曜日

ヤミ金融の手口

著者名;別冊宝島編集部 発行年(西暦);2003 出版社;宝島社文庫
 ヤミ金融業者でも6割回収できれば上等なのだという。利息が法外なだけに貸し倒れても利益は上がっているということか。とにかく客を店によんでしまうのが商売のコツで最初から担保だの保証人だのはあてにしていない。「ろくな奴は来ない」と業者は断言する。ではどうやって回収するのかというと金券ショップを利用してたとえば額面10万円の金券ショップを借り手に売って、借り手はその十日後にさらに安い価格で金券ショップに再販売する。この手法だと利息制限法にも出資法にもひっかからないという手口。さらにパチンコ客をターゲットにした携帯電話による3万円程度の融資。利息は一日一割から3割だ。そして自己破産や個人版民事再生法の適用の紹介といったやや退屈な法律論をふまえて貸している側の論理、つまり取り立ての厳しさも紹介していくがここが圧巻だ。とても政府系金融機関や都市銀行の行員がこんな真似ができるわけがない。「この商売、取立てが命」と断言するヤミ業者にとっては裁判所の支払い督促を悠長にまつわけにはいかない。そして数々のノウハウのあげく結論は「結局取立てとは執念ですよ」という凄みのアル発言で終わる。

 が、最近月末のATMではあちこちの口座に小分けにしてお金を振り込んでいる人が多い。おそらくそのほとんどが消費者金融から借金をしているのだろう。だがそれでは自転車操業であるうえに都市銀行ですら高利の消費者金融事業を開始した。「自己責任」と最終的には法廷で糾弾されるのであれば最初から金利が暴利もしくは高めのところからの借金は絶対にしないこと。それに限るのではなかろうか。

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