2007年11月17日土曜日

インンディアンの夢のあと~北米大陸に神話と遺跡を訪ねて

著者名;徳井いつこ 発行年(西暦);2000  出版社;平凡社
 北米大陸の特に「インディアン」もしくはネイティブアメリカンの遺跡を紹介してくれる旅旅行記。プエブロなど有名な遺跡について相当語られているが、興味深いのは、「アナサジ」とよばれる先住民族の放浪の旅のあとの著述。学者によればそれは雨の減少や川の氾濫だったのではないか、ということのだが、その後あらわれたナバホ族やアパッチ族の脅威というのも説としてはあるらしい。だいたい950年から1300年ごろがこのアナサジの最盛期で、灌漑施設や道路網、巨大な建築物などがうまれチャコ遺跡などが残されている。その後は忽然ときえたわけではなく、リオグランデなどに一部移ったらしいがいわゆるプエブロインディアンがこのアナサジの「子孫」にあたるという説は非常に興味深く読んだ。ここでいう「過去」とは「どれも最近の出来事」ということらしくネイティブアメリカンの時間の流れと近現代の時間の流れの差異を感じることも出来る。そして多くのこのプエブロ、アナサジの子孫たちはとんでもなく長大な「神話」を有しており、それがまた面白いのだが、その神話については無限宇宙の彼方や世界と人間の創造から始まる旧約聖書なみの膨大さではあるが筆者はそれを簡略に紹介してくれている。歴史とは無縁と想われた北米大陸のコロンブス発見前の世界史。面白いです。

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