2007年11月16日金曜日

潜在力開発メソッド

著者名 ;斉藤孝 発行年(西暦);2004 出版社;マガジンハウス
 おそらく何かを習得するさいには、なによりも大事なのが「反復練習」であるに違いない。資格試験(それも簡単なもの)を何度か受験しているうちにそう考えるようになった。基礎・基本はあまりやっていて楽しいことではない。しかしそれを反復練習することで一種の基準や型ができてくる。それを本番の試験にもちこむのが最良ということになる。
 潜在能力とはこれまでに蓄積した経験やノウハウのことであり、それを活用するさいにスポーツ、勉強というように領域を狭めるのが妥当とは思えない。一つの経験を他のジャンルに横断させていくことが重要なのだ。一番の要点を反復するとともに、自分のものにしてしまうことが重要だ。自分自身の中である種の「質的変化」が起きるまではそうした反復練習を続けるしかないのだろう。たとえばマンション管理士にしても、単純な問題演習と復習という作業を、自分自身の中でなにかしらの「質的変化」が起きるまで続けるのが一番良いということになる。勉強というのも要領であり、自分自身にとって成功体験が得られた勉強方法を他に活用するというのが一番よいのだろう。
 とにかく実践が必要だが、実践の次には自分自身のノウハウを確立することが重要だ。感性だけではやはり限界がある。斉藤孝氏の本はその著書を1冊だけ読んだのではいわんとするところがあまり明確に伝わってこない。しかし、何度も反復し、別の角度で切り取られた著作物を読んでいると次第に内容が伝わってくる。これも読書の一形態なのだろう。

 「感覚の習慣化」っていう言葉が出てくるのだが、これはスポーツであれなんであれ、すごく大事なことだと想う。もちろん最初は何がなんだかわからないわけだが、それが形を整えていくにつれて「何かが違う」と感じる心のようなもの…。オリンピック代表選手の清水氏の言葉に「たとえすごく嫌なプレッシャーの経験をしてもそこから逃げるんじゃなくて、むしろそれ以上のプレッシャーに飛び込んでいく」というような言葉に感覚とは無意識に獲得するものではなく、ある程度意識的に「技」として習得するべきものであるということも感じる。「自分で自分を鍛える」という清水氏の言葉には、おそらくオリンピック選手として目的に至るまでの明確なプロセスが自分で理解できているからこその発言だろう。まずは目標を意識化してその次に練習を意識化する。こうして言葉にするのは簡単だが、実行に移すのがいかに大変なのかはだんだん自分にもわかってきたところではある。

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