2007年11月17日土曜日

家系から歴史を読む方法

著者名 ;歴史の謎を探る会 発行年(西暦);2000 出版社;河出書房新社
 歴史に関するエピソードが順不同でごたごたに並んでいる本。う~ん。ある程度通史がわかっていてそれでこうしたエピソードを読むときにはいいかもしれないが、正直つまらない歴史本だった。
 唯一面白かったのだがフッガー家の発展の歴史をコンパクトにまとめた箇所。14世紀末に衣服をアウグスブルグで扱うようになってから頭角を現し、15世紀にはベネチアから南ドイツ一体まで商圏を拡大した。そしてその頃ヤコブ・フッガーが現れ、布をベネチアに運び、代わりに香料や織物を仕入れてくるという商売をした。さらに16世紀前半の宗教改革のころ、フッガー家はカソリックだったのでハプスブルグ家とむすび、マクシミリアン1世やカール5世の誕生などを経済的に支援。さらにローマ教皇がメディチ家からハプスブルグ家に変わると教会の造幣局的な仕事も請け負った。その後スペイン・ハプスブルグの多大な債務を抱え込み、領地所有から貴族として生き延びるという道を選ぶことになる。アウグスブルグにはいまだにヤコブ・フッガーの立てた集合住宅が残るという…というエピソード。
 歴史物はやはりエピソード集では非常につまらんなあ、などという実感も覚えたり…。

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